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「半減期」とは?

今回はちょっと専門的です。

このシリーズ、気がつけば3年半もほったらかしに

なっていました。

で、今回は薬の「半減期」というものについてです。

一口に半減期、といっても2種類あります。

物理的半減期と生物学的半減期です。

物理的半減期というものには

例を挙げると、放射性物質があります。

放射性元素が半分になるまでの時間です。

よく何千年とか何万年とかいいますね。


生物学的半減期というのは、

体の中に入ったもの(薬など)が半分になるまでの時間です。

体の外に出るには、主に肝臓で分解されるか

腎臓から排泄されるかです。

薬物の血中濃度が100%として

半減期が1時間とすると

1時間後は血中濃度が50%になります。

その1時間後には25%、

その1時間後には12.5%,そのまた1時間後は6.25%、

その1時間後には3.125%になります。

最初の濃度が100%とすると

半減期が5回経つと

血中濃度は3.125%まで下がります。

つまり、半減期が5回過ぎると約97%が体外へ出ることに

なります。

これ位だと薬の影響を受けないと言われています。


半減期は薬によって違うので、

半減期により、薬の効き方や持続時間が変わってきます。

短い薬ですと、飲み忘れにより効果が薄れて来ます。

半減期が長い薬だと、飲み忘れてもそれほど影響がない

ということもあります。














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薬の謎シリーズー1”吸収”編その4

やっとのことで消化管から吸収された薬。

このあとどうなるんでしょう?

腸から体内に入った薬は、腸と肝臓をつないでいる血管「門脈」を通り

肝臓へ運ばれます。

肝臓というと、「ああ、体にとって有害なものを解毒してくれるところね」と

一般的によく知られています。

腸から体に入ったものはまず、肝臓に運ばれて有害なものは除かれるなんて

動物というものは上手くできています。

肝臓は体内の化学工場と呼ばれていて、いろいろな酵素が働いていて

たんぱく質を作ったり、また、異物を分解したり、化学反応(酸化や還元等)を

起こして胆汁と一緒に体外に出したりしています。

吸収された薬も一部がやはり化学反応を受けてしまいます。

吸収された薬が最初に化学変化を受けてしまうことを「初回通過効果」といいます。

そして残りの薬が血液中に入り全身を回ります。

薬によっては肝臓で変化を受けないものもあります。

ところで、最初に肝臓は解毒をするところ、と書きましたが

現在、この表現は正しくありません。

というのは、肝臓は必ずしも有害なものを無害化するとは限らない

ことが知られているからです。

どういうこっちゃ?と思われるかもしれません。

発がん性物質はがんを発症させるものですが、そのほとんど90%は

肝臓で化学変化を受けて初めて発がん性を示すからです。

そのようなこともあり、解毒というよりも「代謝」という表現が使われるように

なっています。

以上ここまで4回に分けて”吸収”編として薬が体内に入るまで

いろいろな困難が待ち構えてることを書いてきました。

薬が吸収されるには、水分が必要だということ。

薬のすべてが吸収されるわけではない、しかし他のものとの影響で吸収される量が

変わるということ。

それらの影響が無ければ、一定の割合で吸収が行われること。(ということは体に入る量は

飲んだ量に比例するということになります)

次回は体の中での薬がどうなるか、です。








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「薬の謎」シリーズー1”吸収”編その3

なかなか体に入れない薬、まだまだ難関が待ち構えています。

消化管から吸収されるとき、飲んだ薬がすべて体内に入るわけでは

ありません。

中には壊されてしまうものもあります。

腸内はヒダになっていて、消化されたものを吸収しやすいようになっていますが

その表面にいろいろな酵素があり、一部の薬はその酵素によって

分解されてしまいます。

例えば、吸収される前に100あったとすると、その酵素で20位が壊され

残り80が体内に入るといった具合です。

これは薬に対してだけでなく、食物についても言えることです。

ということは、共通した酵素によって分解される薬とある食物との間に

なんらかな相互作用がありそうだ、ということが言えます。

よく言われているものに

グレープフルーツジュースと薬の関係があります。

薬がある酵素によって20%分解されるとします。

そこにグレープフルーツジュースがやってきたら

その酵素はグレープフルーツを分解することにも手が要り

薬の分解が手薄になります。

よって、吸収される薬の割合が増える(分解が10%におさえられる)というものです。

このため、体に入る薬の量が増えて薬が効きすぎる、といったことが起こります。

場合によっては副作用が起きることもあります。

薬にとって第一の難関は消化管です。

次回は第二の難関、肝臓です。










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「薬の謎」シリーズー1”吸収”編その2

昨日の続きです。
薬が体内に入るには
薬が崩壊、溶けることが必要で、その為には水分が必要だというところまで
いきました。

しかし、吸収されるまでにいろいろな試練が待ち構えています。

◎薬はいろんな環境を旅する

消化管は環境の変化が多彩で

胃の中は強酸性、胃を過ぎると消化液で中和され、腸に入ります。

薬の性質上、酸性やアルカリ性のものがあり、その特性により

吸収される場所が決まります。

最初は酸性の胃に入るので、アルカリ性の薬はそのままでは

分解されてしまうので、工夫がされてあったりといろいろです。

酸性の薬は胃で、その他は主に腸で吸収されます。




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「薬の謎」シリーズー1”吸収”編

これから”薬”というものについて

少しずつですが書いていこうと思います。

その最初の記事は薬が体にどのようにかかわっていくのか、

入っていくのかを内服薬を中心に一般的なことを説明します。


◎体内であって体内ではない?・・・・・・・・消化器

私たちが薬を飲むとき、口から飲みます。
口から飲むので胃腸は体内だと思われがちですが実はそうでは
ありません。
胃や腸から吸収されて初めて”体内”に入ります。
それまでは体外です。

薬が体内に吸収されるには、まず、
1薬が崩壊し、2溶けて、それらの工程のあと吸収されます。
薬が崩壊というのは、錠剤のまま吸収されることはないのでくずれることが
必要です。
ただ崩壊するだけでなく、溶けるということも必要です。
散薬などでも粒子になっていたり、コーティングされていたりするので崩壊、溶けることが
必要です。

この時点でわかることは薬の服用には水分が必要なのだ、ということです。
最近は唾液で崩壊する薬もありますが、唾液が少なくなってきてる人(高齢者など)には
やはり水で服用したほうが無難だと思います。

今回はここまでで次はその後を書きます。











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