新しい課題を教える時、すぐに習得できればいいのですが、実際はそう簡単にできる事は少ないです。
その場合は、最初指示と同時に答えも教えます。次に指示の後、ヒントを教えて答えをひきだすことを助けます。ヒントのことを「プロンプト」と言います。
例えば、「あ」という文字を教える課題をします。まず、「あ」のカードを作り
机に置いて、「あ」と言ったら「あ」のカードを触らせるということをするのですが、最初は出来ない(理解できない)かもしれません。
そういう時は
親「あ」(指示)
子「・・・」(何もしない)
再度指示を出します。
親「あ」(と言ったあと子供の手を持って「あ」のカードに触らせる:
プロンプトする)
親「よくできたね!」(強化子)
第三者から観ると、子供は何もしていないので親の自作自演のように
見えます。
しかし、これを何回もしていると最初は理解できなかった子供も、「あ」のカードを触ると褒められた、お菓子が出てきた、と何かの法則に気づくようになります。
そのうちに親が手を持たなくても指示だけで触るようになります。
「あ」のカードに触れるようになったら、今度は他の文字と区別させます。今の段階では「あ」を理解していることになりません。
「あ」と「う」(まだ、教えていない)を机に横に並べて置きます。
(「う」にしたのは「お」「の」「め」などは「あ」と似ている為、
区別しにくいと思ったからです)
親「あ」
子(「あ」を触る)
親「よくできた!」
時々「あ」と「う」の位置を変えて指示を出し、9割正解だったら
「あ」の文字は理解できていると思います。
もし、「う」を触ってしまう時は
「あ」と指示をだすと同時に「あ」のカードを指でチョンチョンと叩いてプロンプトを出します。もしくは「う」のカードに手を出してきた時に親が手で「う」のカードをブロックして子供の手を「あ」の方に払いのけます。(こういうのもプロンプトです)
それで「あ」を触ったとしても「よくできたね」と少し大袈裟に褒めます。
プロンプトは、出来るようになったら無くしていきます。
昨日の例では
「にちようび」→「にちよ」→「に」と徐々にヒントを減らしています。
これを「プロンプトフェーディング」と言います。
そして最後にはヒントがなくても答えられるようにします。
「にちようび」と最初はヒントというか答えを言っています。
これを「フルプロンプト」と言います。
と、ここまでは前置きでした。(長い!)
実は親が知らない間に子供にヒントを与えていることもあります。
さっきの例では「あ」と「う」を区別させましたが、ここで注意しなければならないことがあります。
まず、「あ」と「う」のカードを机に置いて「あ」と指示を出したとき
親が(無意識に)「あ」のカードを見ている時があります。それに子供が気付いて「あ」を選んでいる場合があります。
また、「あ」のカードに付いている小さなゴミなどをもとにして認識していることもあります。
あと文字の大きさの違いなど、私たちの気付かないことにこだわって「あ」を認識している(文字ではなく)かもしれません。
これらの事に十分注意して、指示を出す時の顔は下を向く、ポーカーフェイスで表情を変えずに、教材は同じ材質で同じ条件でつくり、子供に余計なヒントを与えないことが必要です。
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