2月17日の深夜0時50分から、日本テレビ系列(関西は読売)で
「孤高の出張カウンセラー-自閉症の子どもたちとの500日-」が
放映されました。
番組でカウンセラーを行う奥田先生は、井上先生とともに
日本を代表するABA研究者の1人です。
放送が夜中なので録画して見ることにしました。
私はどのようなカウンセリングをされるのか、
とても興味がありました。
番組を見ると、
なんと、外国まで出張されていたことにびっくりしました。
相手は海外赴任している日本の家族でしたが。
奥田先生は家族に、ABAの専門用語は避けて
解りやすくカウンセリングをされていました。
私がそう感じたのは、私もABAを勉強していたので
奥田先生が家族に話されている内容が
よく解るからです。
番組が進行していくうちに
子供が、今までできなかったことが出来るようになったり、
あるいは、残念ながらあまり効果があがらなかったり、
家族も、先生に従順な家族もいれば
先生のやり方になじめない家族がいたり、
先生も、これから初めて合う家族だけど
もしかしたらこれで最後かもしれない、
といった苦悩されている場面もありました。
番組を最後まで見終わったあと、
私はこの番組は、発達障害を持つ家族を取り巻いている
社会の在り方に問題を投げかけているのでは?と
思いました。
それは、番組のカウンセリングの一場面で
抱っこをせがむ子に対して親が拒否をする、というところです。
通常であれば抱っこを拒む親なんていません。
抱っこをせがんでくる子に対し、奥田先生は
むやみに「抱っこをしないように」とアドバイスします。
すると、子供は癇癪を起こします。
それで親は抱っこをしてしまいます。
するとどうなるか。
つまり、こういうことです。
子供が「抱っこして」と言うたびに
抱っこしていると、そのうちにずっと抱っこしなければ
ならなくなり、最後には家のことが何も出来なくなるからです。
奥田先生は「子供が親の指示に従えば、
ごほうびとして抱っこする」ということを言いたいのですが
親からすれば、市の保健センターや医療機関などで
「そのつど、充分抱きしめてあげてください」と
言われているので、正反対な奥田先生の言動に
迷ってしまうわけです。
それにセラピーで、
その課題をやることの意味が解らなければ
それがどのように後に影響するのかが
見えてこず、不安になったりします。
親にとっては、著名な先生に自閉症の我が子を
見てもらうことで、「すぐに良くなる」ことを
期待しているようです。
しかし・・・
いくら著名な先生であっても、先生が1人だけで
頑張るにはABAに限界があります。
家族を取り巻く社会が、ABAを理解するには
まだまだ時間がかかりそうな気がします。
なので、少なくとも
やはり、親が勉強してABAの原理を理解する必要がありますし
実際に親も子供に対して実践しなければなりません。
それも地道にです。
他人任せの親ではこの療育は向いていないと
思います。
ティーチプログラムであっても
やはり勉強しなければいけませんが、ABAほどでもないと思います。
しかし、自閉症の特性はそのままです。
私は番組を見て、
発達障害の療育にABAは必須であることを再確認したとともに、
社会にも医療関係者や教育関係者だけでなく
市民講座みたいな、障害を持つ親向けに開かれた講座が必要だと
思いました。
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